ドメイン名関連会議報告
2005年
ITU-T Workshop on NGN in collaboration with IETF 報告
2005/05/25
2005年5月1日から2日にかけて、スイス・ジュネーブのITU本部で「ITU-T Workshop on NGN in collaboration with IETF」がITU-T(The ITU Telecommunication Standardization Sector)とIETF(The Internet Engineering Task Force)により共催されました。
ITU-Tでは、IP技術をベースとして次世代の電気通信ネットワーク(Next Generation Network;NGN)を検討しています。ITU-Tは電気通信ネットワークに関する標準化組織ですが、インターネットに関連するプロトコルの標準化はIETFで行われているため、2つの組織の協力により、より優れた標準を作成すべく、NGNに関連する技術についてITU-TとIETFが共同で検討を開始しました。
今回のWorkshopは、ITU-TおよびIETFが共催する最初のもので、双方が考える要求条件や検討状況を相互に確認し、共同作業を進めていくための共通認識を作るための場として開催されました。
ここでは、このWorkshopに関する概要をお届けします。
会議風景
ITU-Tでは、IP技術をベースとして次世代の電気通信ネットワーク(Next Generation Network;NGN)を検討しています。ITU-Tは電気通信ネットワークに関する標準化組織ですが、インターネットに関連するプロトコルの標準化はIETFで行われているため、2つの組織の協力により、より優れた標準を作成すべく、NGNに関連する技術についてITU-TとIETFが共同で検討を開始しました。
今回のWorkshopは、ITU-TおよびIETFが共催する最初のもので、双方が考える要求条件や検討状況を相互に確認し、共同作業を進めていくための共通認識を作るための場として開催されました。
ここでは、このWorkshopに関する概要をお届けします。
会議風景
Workshopは大きく8つのセッションで構成され、Opening SessionとしてITU-T およびIETFのそれぞれの立場の解説、Session 1から6までの各種技術・検討状況解説、そしてWrap-up SessionとしてSession 1-6のまとめと今後の課題についての解説が行われました。
また、それぞれのセッションは、ITU-TとIETFのバランスに非常に気を使ったものとなっており、ITU-T側(NGNの検討を進めているサブグループ(SG)代表)およびIETF側(ADもしくはWGチェア)からそれぞれ同数のスピーカーが技術や検討状況を発表し、その後にディスカッションするというスタイルがとられました。各セッションのタイトルは次のようになっており、ITU-T NGN WGとほぼ対応づくものとなっています。
(1) Requirements and Functional Architecture
(2) Nomadicity and Mobility
(3) QoS, Control and Signalling Capabilities
(4) Network Management
(5) Security Capabilities
(6) Evolution
質疑応答の中から、今後の具体的な作業項目として、セッション5で発表されたITU-Tのセキュリティモデルが大変よくできているのでIETFも参照すべきという意見を取り入れ、7月末からパリで開催される第63回IETFで場を設け、解説を行うことがまとまりました。ITU-Tの検討に対しオープンな場で議論することは多くないので、このような場が設けられることは、画期的なことといえます。
特徴的だったことは、IETF側からは「IETFはオープンな組織であり、誰でも参加可能なので、プロトコルの議論はIETFで行いたい。この(Workshopの)場では、議論はするがITU-Tの意見に賛成したり批判したりすることはない」という立場が何度か表明されたこと、また、ITU-T側からは「IETFは個々のプロトコル検討が中心となっており、全体アーキテクチャやビジネス的視点(市場要求の取り込みなど)からの検討が足りない」という意見がいくつか寄せられたことです。
NGNは、電話を中心とする電気通信ネットワークとインターネットとの融合を視野に入れた技術として検討されており、注目しておく必要があります。また、この両分野の標準化を担ってきたITU-TとIETFの協力も必要になります。このWorkshopは、双方の組織間で相互理解を得るための最初のよい機会となりました。しかし、今回で相互理解が得られたとはまだいいがたく、要求条件や用語など、ベースラインを整えていくところから始める必要があり、相互に協力し具体的成果を生み出すにはまだ時間がかかるものと思われます。
本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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また、それぞれのセッションは、ITU-TとIETFのバランスに非常に気を使ったものとなっており、ITU-T側(NGNの検討を進めているサブグループ(SG)代表)およびIETF側(ADもしくはWGチェア)からそれぞれ同数のスピーカーが技術や検討状況を発表し、その後にディスカッションするというスタイルがとられました。各セッションのタイトルは次のようになっており、ITU-T NGN WGとほぼ対応づくものとなっています。
(1) Requirements and Functional Architecture
(2) Nomadicity and Mobility
(3) QoS, Control and Signalling Capabilities
(4) Network Management
(5) Security Capabilities
(6) Evolution
質疑応答の中から、今後の具体的な作業項目として、セッション5で発表されたITU-Tのセキュリティモデルが大変よくできているのでIETFも参照すべきという意見を取り入れ、7月末からパリで開催される第63回IETFで場を設け、解説を行うことがまとまりました。ITU-Tの検討に対しオープンな場で議論することは多くないので、このような場が設けられることは、画期的なことといえます。
特徴的だったことは、IETF側からは「IETFはオープンな組織であり、誰でも参加可能なので、プロトコルの議論はIETFで行いたい。この(Workshopの)場では、議論はするがITU-Tの意見に賛成したり批判したりすることはない」という立場が何度か表明されたこと、また、ITU-T側からは「IETFは個々のプロトコル検討が中心となっており、全体アーキテクチャやビジネス的視点(市場要求の取り込みなど)からの検討が足りない」という意見がいくつか寄せられたことです。
NGNは、電話を中心とする電気通信ネットワークとインターネットとの融合を視野に入れた技術として検討されており、注目しておく必要があります。また、この両分野の標準化を担ってきたITU-TとIETFの協力も必要になります。このWorkshopは、双方の組織間で相互理解を得るための最初のよい機会となりました。しかし、今回で相互理解が得られたとはまだいいがたく、要求条件や用語など、ベースラインを整えていくところから始める必要があり、相互に協力し具体的成果を生み出すにはまだ時間がかかるものと思われます。
関連URI
- ITU-T Workshop on NGN in collaboration with IETF
http://www.itu.int/ITU-T/worksem/ngn/200505/index.html
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