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ドメイン名関連会議報告

2010年

Interop Tokyo 2010 JPRS活動報告

2010/06/24

国内最大級のネットワーク関連イベント「Interop Tokyo」が、6月7日から11日の5日間にわたって千葉県の幕張メッセで開催されました。300を越える出展社の製品・サービスが一堂に会する展示会には、今年も13万人を超える来場者が集まり、商品説明やデモンストレーションに熱心に耳を傾けていました。

JPRSは、コンファレンスのワークショップセッションにおいてDNSプロトコルのセキュリティ拡張技術である「DNSSEC」についての講師を務めるとともに、展示会の出展ブースにおいてドメイン名とDNSにまつわる情報をミニセミナー形式でご提供しました。
今回のFROM JPRSでは、これらの模様を読者の皆さまにお届けします。

Interop Tokyo 2010の様子
Interop Tokyo 2010の様子

ワークショップ

DNSの実践的運用:DNSSECの本格普及にむけて

6月8日に開催されたワークショップ「DNSの実践的運用:DNSSECの本格普及にむけて」において、JPRSの民田雅人が講師の一人を務めました。
民田は「DNSSECの基礎」と題し、以下の項目などについて運用に当たって留意すべき事項の説明を交えながら、2時間超にわたりDNSSECを解説しました。

  • DNSキャッシュポイズニング攻撃による偽サイト誘導のリスク
  • 抜本的対策としてのDNSSECの仕組みと現状
  • DNSSECの2種類の鍵(KSK、ZSK)と信頼の連鎖
  • DNSSECに関係するDNSレコード
  • BINDキャッシュサーバー/権威サーバーでのDNSSECの設定
  • 鍵更新と再署名
  • DNSSEC化によるDNSデータの変化

例年、本ワークショップにおいてはDNSSECを含めDNS全般について解説を行っていますが、今年はとりわけDNSSECに関する質問が多くなされ、DNSSECに対する関心の高まりがうかがえました。


JPRSブース ミニセミナー

展示会のJPRSブースでは、各回15分ほどのミニセミナーを通じてドメイン名の基礎知識やDNSの最新トピックスをご紹介しました。
インターネットユーザーとしてドメイン名・DNSを日常的に利用してはいるものの、普段その仕組みや技術について学ぶ機会が少ないこともあってか、非常に多くの皆さまにお立ち寄りいただきました。
以下に各セミナーの内容を簡単にご紹介します。

知っておきたいドメイン名の基礎知識

ドメイン名の末尾にある「.jp」や「.com」といった文字列。トップレベルドメイン(TLD)と呼ばれるこの部分に、国や地域に属するccTLDと属さないgTLDがあること、そしてTLDごとに登録管理組織が異なることなどを解説しました。
また、会社や個人で独自のドメイン名を登録する際には、セキュリティ企業などが発表している安全性評価なども参考にして、「TLDを選ぶ」視点が重要であることをご紹介しました。

すぐ分かる!DNSの仕組みと最新トピックス

ドメイン名が「インターネットの住所」としての役割を果たすために欠かせないDNS。インターネット上で通信相手を指定する際には本来IPアドレスが必要であること、数字の羅列であるIPアドレスを人間にとって扱いやすいドメイン名と対応付けているのがDNSであることなどを解説しました。
最新トピックスをお伝えするコーナーでは、「DNSプリフェッチ機能」というWebブラウザーの機能などをご紹介しました。この機能は、アクセスしたWebページを表示する際、そのページにリンク設定されているURIに含まれるドメイン名のIPアドレスをクリック以前に調べておくことで、Webブラウジングの体感速度向上を図るものです。

DNSのセキュリティ向上~DNSSEC~

注目技術として、JPRSブースのミニセミナーにおいてもDNSSECを解説しました。
DNSSECの概要をご説明するとともに、JPドメイン名における取り組みとして、ISPやネットワーク機器などの製品ベンダー、指定事業者など多数の組織との協力により技術検証実験を進めていることなどをご紹介しました。


JPRSブースでの配布資料をWebサイトで公開しています

展示会のJPRSブースで配布したドメイン名やDNSの解説コラム「JPRS トピックス&コラム」をJPRSのWebサイトで公開しています。ぜひご活用ください。

ドメイン名やDNSの解説コラム「JPRS トピックス&コラム」
http://jpinfo.jp/topics-column/



本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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