JPドメイン名のサービス案内、ドメイン名・DNSに関連する情報提供サイト
JPRS トピックス&コラム No.001
ドメイン名は企業にとってのアイデンティティであり、Web マーケティングの成否を握る重要な鍵となっています。
その基本とともに、最大効果を導くためのポイントを確認しておきましょう。
アドレスは企業のアイデンティティ
「ドメイン名」という言葉には、なじみの薄い方もおられるかもしれません。しかし、ホームページのアドレス(URL)やメールアドレスと言われれば、どなたもご存知ですよね。ドメイン名はこれらのアドレスを構成する重要な要素です。
このドメイン名、決して「何かあれば良い」というものではありません。これは、アドレスが単なるアクセス先情報にとどまらず、インターネット上で自己を確立させる役割を担うためです。とりわけ、企業にとっては自社やブランドを顧客に想起させ、社員と会社のつながりを示す「アイデンティティ」だと言えるでしょう。アドレスの核であるドメイン名。重要なのは、会社や個人で固有の「独自ドメイン名」を登録することです。
アドレスを独自ドメイン名にするということ
最近では、プロバイダやポータルサイトでメールアドレスやホームページスペースを無料で提供するサービスも多く存在します。ここで得られるアドレスと、独自ドメイン名のアドレスとの違いを整理しておきましょう。
一目でお分かりの通り、独自ドメイン名のアドレスならば端的に自社名やブランドを示せるため、顧客の想起につなげやすいと言えます。もちろん、アドレスの入力文字数も削減されるため、名刺やパンフレットなどを見てアクセスする顧客への配慮にもなります。
登録に当たってはTLDの吟味が欠かせない
独自ドメイン名と一口に言っても、実に様々な種類があります。欠かせないのが、「TLD(Top Level Domain)」の吟味です。ドメイン名の末尾にある.jp、.com、.net…これらがTLDと呼ばれるもので、その数は250以上にもなります。TLDは、.jpのように国や地域に割り当てられた「ccTLD(Country Code TLD)」と、.comや.netなどの「gTLD(Generic TLD)」に大別されます。
日本のccTLDは.jpで、「JPドメイン名」と呼ばれます。JPドメイン名は、企業や団体などが1組織につき1つだけ登録できる「属性型・地域型JPドメイン名」と、個人でも組織でも数に制限なく登録できる「汎用JPドメイン名」で構成されます。前者は希望する文字列と.co.jpや.ne.jpといった組織種別などで10種類に区分された文字列の組み合わせによって、後者は希望する文字列とシンプルな.jpの組み合わせによって表現されます。いずれも「日本国内に住所があること」を登録要件として定めている点が特徴です。
日本の企業は注目したいCO.JPドメイン名
日本の企業において注目すべきは、属性型・地域型JPドメイン名の一つで、末尾が.co.jpの「CO.JPドメイン名」です。2008年7月の調査で、一部上場企業の98%という高い登録率に加え、インターネット利用者もCO.JPドメイン名から「日本(74%)」「安心感(49%)」「信頼性(48%)」とのポジティブイメージを受け取っていることが確認されています。こうした特有のイメージは、独自ドメイン名の登録に当たって積極的に活用しておきたいところです。企業としてはCO.JP ドメイン名で欲しい文字列が空いていなかったからといって、他のTLDを安易に選択して良いかどうか、十分に検討する必要があると言えます。
用途に応じて複数のドメイン名を登録する
近年、企業情報を提供するWebサイト(コーポレートサイト)と独立して、商品やブランドごとのWebサイトを立ち上げるケースが増えています。商品やブランドを前面に押し出したイメージ戦略や、機動的なWeb展開が狙いとして挙げられます。これに伴い、礎となるコーポレートサイトにはCO.JPドメイン名を、個性を打ち出す商品やブランドのWebサイトには汎用JPドメイン名を用いるなど、複数のドメイン名登録によってそれぞれに表情を持たせることが多くなりました。
なお、商品・ブランド毎に独立したWebサイトで情報提供することは、SEO(検索エンジン最適化)に効果的という意見もあるようです。これは、関連する情報の密度を上げ、関係Webサイト間でのリンク構造の構築が行われることなどに基づくものとされています。
Webサイトへの誘導という観点
SEOの話が出たところで、Web サイトへの誘導という観点から、「検索」そしてドメイン名を見てみましょう。
情報探索に対する消費者意識の高まりとともに、テレビCMや新聞・雑誌などの広告が購買行動に直結しにくくなりました。そこで、時間やスペースといった訴求上の制約が少ないWebサイトにまずは誘導し、消費者の納得感を醸成することで購買につなげるモデルが増えています。ここで重要になるのが、いかに消費者をWebサイトに誘導するかということです。その一つの解が、CMや広告で「○○で検索してください」と表示し、Webサイトへのアクセスを促すことだったと言えます。
検索による誘導のリスク
この検索による誘導は、アクセス方法を簡単に説明できる代わりに、いくつかのリスクを抱えています。
一つ目は、「検索結果は常に変化し得る」ことです。検索による誘導を行うからには、検索結果のトップに表示されるようSEOを頑張るか、もしくは広告費を払ってスポンサーサイトとして上位掲載されることが必須です。しかし、その継続性は極めて不確実なものと言えます。
二つ目は、「検索結果には自社サイト以外へのリンクも含まれる」こと。検索結果には同業他社の商品情報や、自社商品に対する必ずしも好意的でない情報も含まれます。せっかく自社商品を印象付け、消費者のアクションにつなげられたにもかかわらず、自社のWebサイト以外にアクセスが流れかねないわけです。
URLによるダイレクト誘導
そもそも、検索を前提とした誘導の裏には、URLは長くて分かりにくいものというイメージがあると言えます。しかし、実際には独自ドメイン名の採用により短く、分かりやすくできます。もちろん、URLによるダイレクト誘導なら、消費者をいたずらに離脱させるリスクもありません。
登録するドメイン名は、消費者の記憶に残すイメージを統一すべく、商品名などと一致させるのが良いでしょう。この際、日本語ドメイン名を用いれば、検索によるナビゲーションと同等の利便性を提供できます。
短くて分かりやすい独自ドメイン名のURLによるダイレクト誘導を基本としつつ、あいまいな記憶での情報アクセスに利がある検索でそれを補完する。重要なのは、それぞれの利点を活かした誘導設計を行うことです。
検索にも役立つドメイン名
また、ドメイン名は検索にも大きな効果を発揮します。Webサイトのドメイン名を期待する検索ワードと同じ文字列にすることで、順位評価を上げるSEO効果があると言われています。更には、一致部分が太文字強調されることによる視覚的効果、そして検索結果のURLが目的の情報を連想させる心理的効果が期待できます。
いかがでしょうか。ドメイン名がWebマーケティングの成否を握る重要な鍵となる理由がお分かりいただけたと思います。御社のWeb マーケティングも、ドメイン名という観点で再確認してみませんか?
掲載内容は2009年6月のものです。