JPドメイン名のサービス案内、ドメイン名・DNSに関連する情報提供サイト


ドメイン名関連情報

2003年 ドメイン名重要ニュース

ドメイン名ニュース担当者が選んだ2003年のドメイン名重要ニュースを5つご紹介します。

1国際化ドメイン名(IDN)の技術仕様決定、利用環境の整備が加速

2003年3月7日、国際化ドメイン名(IDN)の技術仕様がRFCとなりました。発行されたRFCは、国際化ドメイン名のプロトコルを規定する、IDNA、NAMEPREP、Punycodeの3本です。さらに6月20日にはICANNから「Guidelines for the Implementation of Internationalized Domain Names Version 1.0」がリリースされ、IDNに用いることができる文字集合の定義や言語に特化した登録・管理規則の設定をレジストリの要件とするなど、登録のルールが合意されました。

JPRSは7月10日より、RFC準拠の日本語JPドメイン名の登録管理サービスを開始しました。現在日本語JPドメイン名は、i-Nav™をインストールしたInternet ExplorerやOpera7.2以上、Netscape7.1以上など、対応したブラウザやソフトウェアから利用できます。また、2003年12月15日には、携帯電話から日本語JPドメイン名でサイトにアクセスするためのサービス「日本語JPアクセスサイト(jajp.jp)」を開設しました。

また他国でも、.cn(中国)、.kr(韓国)、.tw(台湾)、.pl(ポーランド)、.se(スウェーデン)などが相次いでIDNのサービスを開始しました。さらに、.de(ドイツ)や.at(オーストリア)など、ヨーロッパを中心に10ヶ国程度が近日中の登録開始を予定しています。gTLDでは.infoに続き、.com、.netも正式サービスを開始しようとしています。

2ICANN新体制へ & 世界情報社会サミット開催

設立から5年を迎えたICANNは、組織としての基盤を固めるべく、2002年10月の上海会議で示された新体制への移行を進めました。主な動きとして、

  • Paul Twomeyを新Presidentに迎える(3月)
  • 新理事会への移行(6月)
  • DNSO(Domain Name Supporitng Organization)のGNSO(Generic Names Supporting Organization)への移行
  • ccNSO(Country Code Names Supporting Organization)の組織化に向けての活動の活発化
  • ALAC(At-Large Advisory Committee)による地域別At-Large組織設置に向けての活動の開始
などが挙げられます。

一方で、12月に開催された世界情報社会サミット(WSIS)ではインターネット資源管理の方法についての議論が沸き上がり、ICANNの今後への関心が高まりました。

3JP DNSの本格的な可用性確保、より一層の安定性向上へ

2003年8月5日、災害時や非常時に備えることを目的に、JP DNSを収容するネットワークが分散化されました。これにより、JP DNSの安定性が飛躍的に向上しています。また、サーバ名が「*.DNS.JP」に統一され、DNS処理の効率化および管理の明確化が図られました。(*=A?F)

具体的には、E.DNS.JPがNSPIXP-3とJPNAP大阪にも接続されることにより、JP DNS全体で従来より高い可用性が確保され、安定性が一層向上することになりました。

ルートDNSや他のTLD DNSの可用性確保策も次々に実施され、全世界的にも、インターネットの安定運用に向けた取り組みが進められています。

4JPRSがJPドメイン名登録管理サービスを改定

2003年11月17日、JPRSは、JPドメイン名の使いやすさのさらなる向上を目的としてサービスの改定を実施しました。

従来、会社などの組織を設立する前にJPドメイン名を登録・運用するためには、商号仮登記などが行われていることが条件となっていましたが、本改訂により、商号仮登記などの有無に関係なく、最大6ヶ月間CO.JPドメイン名などを登録・運用することが可能になりました。これにより、Webサイトや電子メールを活用したインターネット上での設立準備活動をよりスムーズに行うことができるようになりました。

また、これまでは、属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名の登録情報の変更手続きには原則として登録者本人の印鑑証明書が必要でしたが、指定事業者との役割分担のなかで、これらの書類を一部不要としました。

5Site Finderサービス、波紋を呼ぶ

2003年9月15日、.comと.netのレジストリである米国VeriSign社は、SiteFinderサービスを開始しました。これは、Webブラウザから登録されていないドメイン名にアクセスされた際に、同社が設置した「Site Finder」というポータルサイトに誘導するサービスです。VeriSign社が管理する.comと.net のDNSサーバーで、登録されていないドメイン名へのDNS検索に対してワイルドカードという技術を用いて応答するものでした。

しかし、十分な事前説明がないままの突然のサービス導入は大きな混乱を招き、DNSにおけるワイルドカードの利用によるSPAMフィルターへの影響などの技術的批判、および未登録ドメイン名のハイジャックに当たるのではないかというような商業的批判が巻き起こったため、このサービスは10月に停止されました。

番外編. DNS生誕から20年

2003年6月23日、DNS(Domain Name System)は20歳の誕生日を迎えました。

1983年6月23日、南カリフォルニア大学工学部のInformation Sciences Institute(ISI)にて、Paul Mockapetris氏と故Jonathan Postel氏は、この日初めてDNSの実験を成功させました。この仕組みにより、ユーザーが手作業で相手のマシンのアドレスを探さなくても、コンピューターどうしがネットワーク上でお互いを見つけ、情報をやりとりすることが可能になりました。

これが、現在のインターネットに不可欠な仕組みとなっています