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増刊号

vol.8

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003-11-18━
                       ◆ FROM JPRS 増刊号 vol.8 ◆
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                           Whoisの最新動向 
             ~ICANNチュニジア会合 Whois Workshopレポート~
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■はじめに

ICANNチュニジア会合では、10月29日に、メインのセッションの一つとして
Whois Workshopが行われました。

Whoisは、ユーザが技術トラブル解決等のためにドメイン名の情報を確認する
だけではなく、登録者自身やドメイン名の運用を行うユーザ・事業者がその登
録内容を確認したり、知的財産権の観点から、商標等と関連するドメイン名の
チェックを行うなど、幅広く利用されています。このように、広く情報を得た
いと考える利用者がいる一方、登録情報に含まれる個人情報は保護すべき対象
であるという声もあります。また、Whoisに掲載する情報の収集やその提供の形
態はレジストリ・レジストラ毎に異なっています。

今回議題としてあがったのは以下のものでした。

  - 国際化に関する検討
  - WHOISデータ要素、登録者および利用者の分類と実状
  - 今後の動向

また、ICANN会合のメインのセッション以外にもccTLD会議やGNSO
(Generic Names Supporting Organization: gTLDの連合組織)の会議におい
てもWhoisは議題の一つとして取り上げられています。

■国際化に関する検討

本パートでは、国際化ドメイン名(IDN)による新たな展開をもとに、実際にIDN
を使い始めているTLD等がパネリストとなって、Whoisへの影響に関する発表が
行われました。

IDNの情報をWhoisで検索する場合、ドメイン名としてIDNの文字列をそのまま
指定するのか、Punycodeに変換された後のASCII文字列を指定するのか、その
際の文字コードは何を利用すればいいのか、といった検索方法に関する課題の
提示がありました。表示に関しても同様に、Punycodeに変換された文字列以外
の表示においては、どの文字コードで表示することにすべきかが課題としてあ
げられました。

また、言語によってはIDNの登録において互換文字を持つ場合があり、そのリス
トをWhoisでどのように表示すべきかという検討や、互換文字の登録をレジスト
リがどのように扱い、それをWhoisでどのように情報提供するかという検討課題
もあげられました。

ドメイン名およびWhoisが世界中で利用されることを考慮した上で、IDNおよび
登録情報のローカルな表示とASCII表示の最適な組合せ、IDNにおける互換文字
の表示方法といった課題のさらなる検討など、情報交換の必要性が改めて確認
されました。

■Whoisデータ要素、登録者および利用者の分類と実状

その後のパートでは、レジストリによって集められる情報とWhoisによって公
開される情報のデータ要素に関して、実際にWhoisを利用している立場、およ
びWhoisを提供している立場のパネリストから発表がありました。

多くのWhoisが、ドメイン名登録者、登録担当者、技術担当者、経理担当者、
ネームサーバ情報を主な情報としています。特に担当者に関する項目が多数あ
りますが、それぞれの意味が明確ではなく、同じ情報が入れられている場合も
多いとの指摘がありました。

また、利用者はどの情報を必要としているか、という点については、様々なケ
ースがある中での実例として、知的財産権の保護を扱う団体による大量検索の
例があげられていました。この団体はさらに、ある登録者が登録しているドメ
イン名をリストアップするという、通常のWhois検索とは逆向きの検索機能を
望んでいるとのことでした。

登録者の個人情報を保護するためにプロキシサービス(第三者による登録代行)
によって解決をはかるという案も出ていますが、これに対してプライバシーは
サービスとして提供されるものではなく、登録者の権利であるという声もあが
っています。

また、Whoisではなく、Who-wasとでも呼ぶべき、ドメイン名登録の履歴に関す
る情報が求められることも多い、ということをレジストリの立場から紹介して
いるものもありました。

このパートからは、立場によるWhoisの捉え方や要求が現在でも多岐に渡り、
それぞれが独自に対策を打とうとしていることがうかがえ、さらにバランスの
とれた解決策を策定していくことの必要性が再確認されました。

■今後の動向

前回のICANNモントリオール会合に加え、今回のWorkshopでは新たな視点も加
わった課題が示され、Whoisへの幅広い関係者の間で、課題の共通認識が形作
られてきました。ICANN CEOであるPaul Twomeyは、WhoisにはICANN内の多くの
組織にまたがる重要な課題が存在すると考えており、新たにWhois検討委員会
を設けてポリシー策定を進めることを提案しています。2回続いたWorkshopに
よりその下地はできつつあり、共通課題に対する具体的検討がはじまることに
なります。

          ◇                     ◇                     ◇

◎関連URI

  ・Whois Workshop Agenda
    http://www.icann.org/carthage/whois-workshop-agenda.htm

  ・Memorandum From ICANN CEO Paul Twomey Concerning Whois 
  http://www.icann.org/announcements/announcement-18sep03.htm

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