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増刊号

vol.35

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2005-04-20━
                       ◆ FROM JPRS 増刊号 vol.35 ◆
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                   ICANNマルデルプラタ会合報告(後編)
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前号に引き続き、ICANNマルデルプラタ会合報告をお送りします。本号では、
ccTLD(Country Code Top Level Domain)関連の動向をお伝えします。

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■wwTLD会合

2005年4月3日、ccTLDレジストリを対象に、World Wide Alliance of Top
Level Domain-names(wwTLD)が会合を開催しました。約40のccTLDから60名程
度が出席し、日本からは.JPのレジストリであるJPRSが参加しました。

wwTLDは、1999年にヨーロッパ、アジアなどのccTLDレジストリが自主的に立ち
上げたボランティアの連合で、ICANNに対するccTLD代表評議員選出、ccTLDと
しての意見集約、情報交換などの活動を行ってきました。その後、2003年の
ccNSO(Country Code Names Supporting Organization:国コードドメイン名
支持組織)の設置に伴い、ICANNへの代表選出や意見集約といった役割は、
ccNSOに移行しました。

今日、wwTLDでは、ccTLDレジストリによる情報交換に焦点を絞り、ICANN会議
に先だっての会合開催、メーリングリストでの活動等を続けています。
ccNSOの立ち上げから数ヵ月間は、ccNSOとICANN理事会の関係定義に反対する
非会員のレジストリがwwTLDを主導し、ccTLDレジストリコミュニティを分断さ
せるかのような動きもありました。しかし、最近では、会員および非会員のレ
ジストリが協働し、業務やポリシーに関する実務的な情報の交換を行っていま
す。

今回のwwTLD会合では、ドメイン名登録ポリシーのケーススタディや、世界の
ドメイン名市場に関する調査報告等が行われました。

ケーススタディでは、ヨーロッパ、北米等のccTLDレジストリから、ドメイン
名登録規則に関する状況報告が行われました。そして、過去に厳格な登録規則
を設けていた複数のccTLDにおいて、登録審査(特に書類審査)の簡素化や、1 
組織で登録できるドメイン名数の制限緩和を進めていることが明らかになりま
した。

ドメイン名市場に関する調査報告では、2004年第4四半期を対象に、世界の
gTLDおよびccTLDの登録数の伸びを調査した結果が報告されました。報告によ
ると、全世界的に登録および更新件数は継続的な拡大傾向にあり、期間中の登
録ドメイン名数(累積)は約7,140万件(前年同期比18%増)に達しました。
    
■ccNSOの動向

ccNSOは、4月4日から6日にかけて会議を行いました。ccNSO会員に加え、非会
員のccTLDレジストリも参加したため、出席者は上述のwwTLD会合とほぼ同じで
した。

ccNSO会合では、Accountability Framework、ICANNの戦略計画案に関する議論、
IANA業務報告、GAC(政府諮問委員会)との意見交換などが行われました。

中でも特に注目を集めたのは、Accountability Frameworkガイドラインの項目
作りでした。この Accountability Frameworkガイドラインは、インターネッ
トの安定性維持のために、ccTLDレジストリがローカルレベルで、またICANN 
がグローバルレベルでそれぞれに果たすべきお互いの責務を保証する文書で、
ccNSOのワーキンググループ(チェア:JPRS 堀田博文)において検討が進めら
れています。まだ項目を定義している段階ですが、8月に文書化することを目
標にしています。

現状、以下の項目が概ね合意されつつあります。

・ccTLDレジストリの責務
   - ccTLDのゾーンファイル生成と維持
   - ccTLDネームサービスの維持
   - RFC1591、1034、1035などの関連標準への準拠
   - 信頼性、安定性、相互運用性あるDNSの維持
   - セキュリティと安定性の維持
   - ccTLD管理者に関する情報の正確性と完全性	
   - ICANNへの資金拠出

・ICANNの責務
   - 権威ある(authoritative)ルートデータベースの維持
   - タイムリーなネームサーバ情報更新
   - ルートゾーンWhois情報の公開
   - 権威あるルートネームサーバシステムの確実な運用
   - 権威あるレコードの維持と監査
   - IANAにおける担当者変更時の通知

各ccNSO会員レジストリは、このガイドラインに基づき、各ローカルインター
ネットコミュニティの事情を考慮した形で個別にICANNと正式な合意を交わす
ことになります。このFrameworkを通じて各ccTLDレジストリとICANNがフォー
マルに責任関係を保証できれば、ICANNの組織基盤の安定化、ひいてはインター
ネット資源管理全体の安定性維持にも寄与できると、ccNSOでは期待していま
す。

          ◇                     ◇                     ◇

◎関連URI

  - ICANNホームページ
    http://www.icann.org/

  - ICANNマルデルプラタ会合
    http://www.icann.org/meetings/mardelplata/

  - ccNSOホームページ
    http://ccnso.icann.org/

  - wwTLDホームページ
    http://www.wwtld.org/

  - wwTLDマルデルプラタ会合資料
    http://www.wwtld.org/meetings/cctld/20050403.MardelPlata-documents.html

  - ccNSOマルデルプラタ会合アジェンダ
    http://www.icann.org/meetings/mardelplata/ccnso-agenda.html

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