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増刊号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2005-05-19━
◆ FROM JPRS 増刊号 vol.36 ◆
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ITU-T Workshop on NGN in collaboration with IETF 報告
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2005年5月1日から2日にかけて、スイス・ジュネーブのITU本部で「ITU-T
Workshop on NGN in collaboration with IETF」がITU-T(The ITU
Telecommunication Standardization Sector)とIETF(The Internet
Engineering Task Force)により共催されました。
ITU-Tでは、IP技術をベースとして次世代の電気通信ネットワーク(Next
Generation Network;NGN)を検討しています。ITU-Tは電気通信ネットワークに
関する標準化組織ですが、インターネットに関連するプロトコルの標準化は
IETFで行われているため、2つの組織の協力により、より優れた標準を作成す
べく、NGNに関連する技術についてITU-TとIETFが共同で検討を開始しました。
今回のWorkshopは、ITU-TおよびIETFが共催する最初のもので、双方が考える
要求条件や検討状況を相互に確認し、共同作業を進めていくための共通認識を
作るための場として開催されました。
ここでは、このWorkshopに関する概要をお届けします。
◇ ◇ ◇
Workshopは大きく8つのセッションで構成され、Opening SessionとしてITU-T
およびIETFのそれぞれの立場の解説、Session 1から6までの各種技術・検討状
況解説、そしてWrap-up SessionとしてSession 1-6のまとめと今後の課題につ
いての解説が行われました。
また、それぞれのセッションは、ITU-TとIETFのバランスに非常に気を使った
ものとなっており、ITU-T側(NGNの検討を進めているサブグループ(SG)代表)お
よびIETF側(ADもしくはWGチェア)からそれぞれ同数のスピーカーが技術や検討
状況を発表し、その後にディスカッションするというスタイルがとられました。
各セッションのタイトルは次のようになっており、ITU-T NGN WGとほぼ対応づ
くものとなっています。
(1) Requirements and Functional Architecture
(2) Nomadicity and Mobility
(3) QoS, Control and Signalling Capabilities
(4) Network Management
(5) Security Capabilities
(6) Evolution
質疑応答の中から、今後の具体的な作業項目として、セッション5で発表され
たITU-Tのセキュリティモデルが大変よくできているのでIETFも参照すべきと
いう意見を取り入れ、7月末からパリで開催される第63回IETFで場を設け、解
説を行うことがまとまりました。ITU-Tの検討に対しオープンな場で議論する
ことは多くないので、このような場が設けられることは、画期的なことといえ
ます。
特徴的だったことは、IETF側からは「IETFはオープンな組織であり、誰でも参
加可能なので、プロトコルの議論はIETFで行いたい。この(Workshopの)場では、
議論はするがITU-Tの意見に賛成したり批判したりすることはない」という立
場が何度か表明されたこと、また、ITU-T側からは「IETFは個々のプロトコル
検討が中心となっており、全体アーキテクチャやビジネス的視点(市場要求の
取り込みなど)からの検討が足りない」という意見がいくつか寄せられたこと
です。
NGNは、電話を中心とする電気通信ネットワークとインターネットとの融合を
視野に入れた技術として検討されており、注目しておく必要があります。また、
この両分野の標準化を担ってきたITU-TとIETFの協力も必要になります。この
Workshopは、双方の組織間で相互理解を得るための最初のよい機会となりまし
た。しかし、今回で相互理解が得られたとはまだいいがたく、要求条件や用語
など、ベースラインを整えていくところから始める必要があり、相互に協力し
具体的成果を生み出すにはまだ時間がかかるものと思われます。
◇ ◇ ◇
◎関連URI
- ITU-T Workshop on NGN in collaboration with IETF
http://www.itu.int/ITU-T/worksem/ngn/200505/index.html
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