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増刊号

vol.63

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2006-12-20━
                    ◆ FROM JPRS 増刊号 vol.63 ◆
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                       ICANNサンパウロ会合報告
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2006年12月2日から8日まで、ブラジルのサンパウロでICANN第27回会合が開催
されました。ICANNの発表によれば、今回の会合には90ヶ国から720名以上が参
加しました。今号では、サンパウロの全日程を通じ最も議論された話題として
IDNを、また、その他の注目を集めた動きとして、.asiaのレジストリ契約締結、
.biz、.info、.orgのレジストリ契約更新承認を取り上げます。

          ◇                     ◇                     ◇

1. IDNに関する検討状況

サンパウロ会合では、前回のマラケシュ会合同様、IDNが中心的な話題となり
ました。IDNに関するICANNなどでの検討状況は以下の通りです。

(1)ドメイン名レジストリ向けIDN実装ガイドラインの改訂作業

ICANNでは、ドメイン名のレジストリで構成するワーキンググループが、レジ
ストリ向けのIDN実装ガイドラインを策定し、維持しています。最初にガイド
ラインが公開されたのは2003年6月ですが、その後版を重ね、現在は2006年2月
に公開されたVersion 2.1が最新版となっています。現在、この実装ガイドラ
インをIETF(The Internet Engineering Task Force)のBCP(Best Current
Practice:現在の最良の実践)とする方向で改訂作業が行われています。ガイ
ドラインの主な内容は、以下の通りです。

  - 基本プロトコルはRFCに従うこと
  - IDNで使える文字の集合を(列挙するなどにより)明確に規定すること
  - 各IDNを言語に結びつけること(複数の言語に属する文字を混在させない
    こと)
  - 必要に応じ、等価文字を定義すること

◎関連URI

  - Guidelines for the Implementation of Internationalized Domain
    Names(Version 2.1)
    http://www.icann.org/general/idn-guidelines-22feb06.htm


(2)国際化TLDに関する検証と議論

ICANNでは、2006年中盤頃から技術とポリシーの両面で並行して国際化TLDの検
討が行われています。

技術面では、ICANNの依頼を受けたスウェーデンのAutonomica社が、10月以来、
既存のDNS実装がIDNをPunycode表現した形式の長いドメイン名のNSレコードに
対して問題なく動くかどうかを検証しています。

ポリシー面でも検討が具体化してきています。サンパウロ会合中も、ccNSO、
GNSO、GACそれぞれの会議でIDN TLDが取り上げられました。特にccNSO会議に
おいては、以下の項目を含む課題リストが作成され、論点が明確になりつつあ
ります。

  - ccTLDのそもそもの定義をどうするか
  - non-ASCIIのccTLD文字列をどう定義するか
  - non-ASCIIのccTLD文字列を誰が定義するか
  - 誰がnon-ASCIIのccTLDのレジストリとなるかをどう決めるか

  (*) ccNSO:Country Code Names Supporting Organization
      GNSO :Generic Names Supporting Organization
      GAC  :Governmentary Advisory Committee

12月8日に開催されたICANN理事会でも、IDNの検討に関する進捗状況が報告さ
れました。それに対して理事会からは、IDNのccTLDに関するイシューペーパー
を作成するよう、ccNSOおよびGACに対して要請が出されました。

◎関連URI

  - Internationalized Domain Names
    http://www.icann.org/topics/idn/


2. .asiaのレジストリ契約締結

12月6日、サンパウロのICANN会議場にて、.asiaのレジストリであるDotAsia
Organisation LimitedとICANNが.asiaレジストリ契約書に署名しました。
.asiaはアジア太平洋地域の法人を対象としたTLDで、2003年12月にICANNが行
なった公募に対して提案されていたものです。今回の契約締結により、
DotAsia Organisationは、登録申請受付開始に向けた準備を本格化する予定で
す。なお、DotAsia Organisationによれば、.asiaドメイン名の登録申請受付
は今後半年から9ヶ月の間に開始されます。

◎関連URI

  - ICANN and DotAsia Organization Sign .ASIA Registry Agreement
    http://www.icann.org/announcements/announcement-07dec06.htm 

  - DotAsia Organisation Limited
    http://www.dotasia.org/ 


3. .biz、.info、.orgのレジストリ契約更新の承認

現行の.bizのレジストリであるNeuLevelと.infoのレジストリであるAfiliasが
ICANNと締結しているレジストリ契約内容は、2001年5月に実施されました。ま
た、.orgのレジストリであるPIR(the Public Interest Registry)のレジス
トリ契約内容は2003年1月に実施されたものです。.bizと.infoの契約期限は
2006年に、.orgの契約期限は2008 年に設定されています。このため、.biz、
.info、.orgの各レジストリは、2005年頃からそれぞれICANNとレジストリ契約
の更新に向けて交渉と改訂案作成を重ねてきました。

2006年7月28日、ICANNはそれぞれの契約書案を公開し、パブリックコメントを
募集しました。その後、寄せられたコメントを踏まえて検討した結果、10月24 
日に修正版の契約書案が公開され、12月8日にサンパウロで開催された理事会
で承認されました。

今後は事務総長が中心となり契約書の締結に入ります。.bizおよび.infoの契
約期限は2012年12月末、.orgの契約期限は2013年の6月末となります。なお、
各契約は、レジストリによる重大かつ度重なる違反行為などがない限り更新さ
れます。このいわゆるみなし更新条項は、2005年に交わされた.netのレジスト
リ契約書および2006年2月にICANN理事会で承認された.comのレジストリ契約書
で初めて導入されたものです。今回承認された.biz、.info、.orgの契約でも、
.netおよび.comの契約と条件を同等にするため導入されました。

◎関連URI

  - Revised .BIZ, .INFO AND .ORG Registry Agreements Posted for Public
    Comment
    http://www.icann.org/announcements/announcement-24oct06.htm

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◎関連URI

  - ICANNホームページ
    http://www.icann.org/

  - ICANN理事会(2006年12月8日)決議
    http://www.icann.org/minutes/resolutions-08dec06.htm

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