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ドメイン名関連会議報告

2004年

APTLD会合報告

~地域内外組織との情報交換・連携を拡大~
2004/03/12
2004年2月24日と2月26日、アジア太平洋地域のccTLD連合組織APTLD(Asia Pacific Top Level Domain Association)主催で、マレーシアのクアラルンプールにてTechnical Workshopと年次総会がそれぞれ開催されました。以下、各会合の様子をお伝えします。

年次総会の様子 (Palace of the Golden Horses Hotel, Kuala Lumpur)
年次総会の様子 (Palace of the Golden Horses Hotel, Kuala Lumpur)

APTLD Technical Workshop

APTLDは、アウトリーチおよび教育活動の一環として、2003年からOpen Technical Workshopを開催しています。主な対象をアジア太平洋地域のccTLDレジストリオペレータと想定してプログラムが組まれていますが、どなたでも参加できます。

今回は昨年11月に続く第2回目として、2月24日午後に行われました。また、今回初めての試みとして、IPアドレスの地域レジストリであるAPNIC(Asia Pacific Network Information Centre)と共同での開催となりました。

当日は、午前中にAPNICがIPアドレスの割当や逆引きDNSについてのセッションを、午後にAPTLDがTLD登録管理とドメイン名の観点から見たDNSについてのセッションを行いました。終日参加することにより、出席者は主なインターネット資源の管理に関する基礎知識や最新トピックなどの情報を得ることができました。APTLD Technical Workshopには、AP地域のccTLDオペレータ、ISPのオペレータを含め20名以上が参加しました。プログラムは以下の通りです。

  • DNS Principles (by Chris Wright, AusRegistry)
  • ccTLD/gTLD and Related Organizations (by 堀田博文, JPRS)
  • Current Topic - EPP (by Jeff Yeh, TWNIC)

今回は、最新トピックとしてTWNIC(Taiwan Network Information Center)でのEPP導入事例の紹介が行われ、途上国のオペレータの間で好評を博しました。当日説明に使用された資料は、以下のAPTLD Webサイトで公開されています。

http://www.aptld.org/file/APTLD_Technical_Workshop_Program.htm

APTLD年次総会

2月26日には、APTLDの年次総会が開催されました。主な内容は例年通り、理事選挙結果の承認、決算、予算及び事業計画の承認でしたが、今回は、昨年12月にIANAのGeneral Managerに就任したDoug Barton氏を招き、IANAサービスの現状について、情報交換と議論を行う機会が設けられました。Barton氏によれば、IANAが最重要視していることは、米国商務省によるルートサーバ管理権限を早急にICANNに完全移行することです。そのため、新たなルートサーバおよびTLDデータベースの管理の枠組みについて、今後TLDレジストリを含むインターネットコミュニティとの相談、連携を強く希望していました。

また現在は、ルートゾーンに登録するTLDネームサーバのIPアドレスとして、IPv6アドレスを登録することができませんが、複数のTLDからの要望を受け、ICANNのRSSAC(Root Server System Advisory Committee)が、検討の結果を報告書として理事会に提出しました。今後は、理事会での了承が得られた後に、その報告書が公開され、コメントの募集が始まる予定です。

昨年11月の前回総会以来、APTLDに入会するccTLDレジストリが増加しています。.jo(ヨルダン)、.nf(ノーフォーク島)、.lk(スリランカ)が新たに会員となりました。また、APTLDは、ヨーロッパの地域ccTLD連合CENTR(Council of European National Top-Level Domain Registries)と相互にオブザーバ関係を結び、グローバルな協力関係も強化しています。今後もAPTLDは、アジア太平洋地域のccTLD発展を目指し、引き続き情報交換や連携を行っていく予定です。

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