ドメイン名関連会議報告
2004年
ICANNクアラルンプール会合報告
2004/08/05
2004年7月17日から24日まで、マレーシアのクアラルンプールにて、ICANN会合と、これに関連するワークショップなどの会議が行われました。ICANNとその関連組織が並行して様々な会議を開催し、それぞれの課題が議論されましたが、ここでは、特に関心の高かった話題についてご紹介します。
WSISワークショップの様子(Shangri-La Hotel, Kuala Lumpur)
WSISワークショップの様子(Shangri-La Hotel, Kuala Lumpur)
IDN(国際化ドメイン名)
IDNに関しては、GAC(ICANNの政府諮問委員会)が半日のオープンワークショップを開催したあと、ICANNも1日かけてのワークショップを開催しました。
これら両会合およびパブリックフォーラムを通し、今回のICANN会合では、IDN推進の重要性に注目が集まりました。総じて、JPRSを含むアジア各国の参加者からはIDNの技術開発と運用の経験が紹介され、ヨーロッパ各国やアラブ各国の参加者からはIDNの必要性・重要性が訴えられました。ただし、アラブ各国は、IDNがデジタル・デバイドの解決のために必要であるなど、まだ概念的な必要性を訴えるのみであり、十分な検討は進んでいないようです。ヨーロッパやアラブでは複数の国でひとつの言語を使うケースが多く、似た文字も多いため、アジア各国が解決してきたものよりも問題はより複雑であり、その解決には大きな努力が必要となりそうです。
これら両会合およびパブリックフォーラムを通し、今回のICANN会合では、IDN推進の重要性に注目が集まりました。総じて、JPRSを含むアジア各国の参加者からはIDNの技術開発と運用の経験が紹介され、ヨーロッパ各国やアラブ各国の参加者からはIDNの必要性・重要性が訴えられました。ただし、アラブ各国は、IDNがデジタル・デバイドの解決のために必要であるなど、まだ概念的な必要性を訴えるのみであり、十分な検討は進んでいないようです。ヨーロッパやアラブでは複数の国でひとつの言語を使うケースが多く、似た文字も多いため、アジア各国が解決してきたものよりも問題はより複雑であり、その解決には大きな努力が必要となりそうです。
ccNSOの動き
7月19日と20日には、ccNSOの第2回会合が開催されました。今回のccNSO会合において正式にccNSO Councilメンバーが決まり、ようやくccNSOはICANNの枠組みにおけるccTLD組織として、実質的に動き出したと言えます。また、今回の会合には、ヨーロッパの非ccNSO会員の参加も含め、世界5地域から約70名の参加がありました。このことから、まだccNSOに加入していないccTLDも、ccNSOを共通のポリシー議論の場として意識し、加入できる形に改善していくべく、既存のccNSO会員と協同して取り組み始めたことが見て取れました。
なお、ccNSO Councilは世界の各地域から3名ずつ選出されたメンバーによって構成されます。アジア太平洋地域からは、Chris Disspain氏(.au)、Young Eum Lee氏(.kr)、堀田博文(.jp)が代表となっています。また、Chris Disspain氏はccNSO Councilの暫定チェアに任命されました。Councilの確定を受け、クアラルンプールではこれから議論を進めていくための枠組みや手続きの検討が行われ、組織として大きく前進しました。また、IANA、ICANNの幹部と共に実務的な情報交換セッションも行われ、ccTLD間およびICANNとccTLDの間での情報共有が進みました。
なお、ccNSO Councilは世界の各地域から3名ずつ選出されたメンバーによって構成されます。アジア太平洋地域からは、Chris Disspain氏(.au)、Young Eum Lee氏(.kr)、堀田博文(.jp)が代表となっています。また、Chris Disspain氏はccNSO Councilの暫定チェアに任命されました。Councilの確定を受け、クアラルンプールではこれから議論を進めていくための枠組みや手続きの検討が行われ、組織として大きく前進しました。また、IANA、ICANNの幹部と共に実務的な情報交換セッションも行われ、ccTLD間およびICANNとccTLDの間での情報共有が進みました。
WSISワークショップ
7月20日、ICANNでは2回目となるWSISワークショップが開催されました。午前8時30分の開始当初から、会場には300名以上の参加者がつめかけ、WSISに対する関心の高さがうかがえました。今回は、国連のWorking Group on Internet Governance(WGIG)事務局長Markus Kummer氏より、国連におけるインターネットガバナンス検討の状況報告が行われました。
WGIGは、インターネットガバナンスの定義と、今後のあるべき姿について検討し、2005年にチュニジアで行われるサミットに報告を提出する予定です。現状、WGIGとしては、インターネットガバナンスについて、ドメイン名等の資源管理調整に限定されない広い視野を持って検討しています。具体的には、ネットワークセキュリティ、知的財産権、データ保護、スパム、多言語化の課題等も検討範囲に含めています。今後のロードマップも発表されました。WGIGでは、自らのロードマップを三つの段階に分け、以下のように計画しています。
現在WGIGは第1段階にあり、広範囲な利害関係者と十分なコンサルテーションを行いながら、報告書作成の準備に入ることになります。また、あらゆる利害関係者の意見を汲み上げられるような体制を整備することも急務となっています。
WGIGは、インターネットガバナンスの定義と、今後のあるべき姿について検討し、2005年にチュニジアで行われるサミットに報告を提出する予定です。現状、WGIGとしては、インターネットガバナンスについて、ドメイン名等の資源管理調整に限定されない広い視野を持って検討しています。具体的には、ネットワークセキュリティ、知的財産権、データ保護、スパム、多言語化の課題等も検討範囲に含めています。今後のロードマップも発表されました。WGIGでは、自らのロードマップを三つの段階に分け、以下のように計画しています。
- 第1段階(準備期間) 2004年7月~10月
WGIG事務局の立ち上げ - 第2段階 2004年11月~2005年6月
検討報告書作成 - 第3段階 2005年7月~11月
検討報告書説明、サミットにむけた準備
現在WGIGは第1段階にあり、広範囲な利害関係者と十分なコンサルテーションを行いながら、報告書作成の準備に入ることになります。また、あらゆる利害関係者の意見を汲み上げられるような体制を整備することも急務となっています。
ルートサーバへのIPv6アドレスが登録可能に
7月20日、ICANNは、ルートゾーンに初めてIPv6アドレスを登録したことを発表しました。登録されたのは、.JP、.KR(韓国)のDNSサーバに付与されたIPv6アドレスです。 これにより、JPドメイン名のサーバやホスト、機器などへの、IPv6でのアクセス環境が大きく前進しました。
この登録に伴い、JPRSは、ICANNのIPv6推進におけるTLDとしての主導的な貢献が認められ、7月22日のICANNパブリックフォーラムにおいてICANNチェアのVint Cerf氏から表彰を受けています。
本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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この登録に伴い、JPRSは、ICANNのIPv6推進におけるTLDとしての主導的な貢献が認められ、7月22日のICANNパブリックフォーラムにおいてICANNチェアのVint Cerf氏から表彰を受けています。
関連URI
- ICANNホームページ
http://www.icann.org/ - ICANNクアラルンプール会合
http://www.icann.org/meetings/kualalumpur/ - ICANN WSISワークショップ
http://www.icann.org/meetings/kualalumpur/captioning-wsis-workshop-20jul04.htm
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