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ドメイン名関連会議報告

2006年

AP* Retreat会合報告

~AP* Retreatの今後を議論し、新たな活動方針を採択~

2006/01/27


2006年1月22日にAP*(APstar) Retreat会合が第21回APAN(Asia Pacific Advanced Network Consortium)会合に合わせ、東京・秋葉原で開催されました。

AP* Retreat会合は、アジア太平洋地域のインターネット団体の代表や、各国・地域で重要な役割を担っている組織から参加者が集い、年に2回程度開催されています。活動状況の報告を通じて組織相互の情報を共有するだけでなく、各組織同士および参加者同士のネットワークの形成に寄与する場となっています。

今回は、南カリフォルニア大学情報科学研究所のZita Wenzel氏とJPRSの遠藤淳が共同議長をつとめ、会合全体のコーディネーションを行いました。AP* Retreatをアジア太平洋地域のインターネット関連活動の質的・量的・地理的広がりの変化に対応した適切な姿に改革しようという問題意識から、メインテーマに、「AP* Retreat Retreat(AP* Retreatのあり方の見直し)」を掲げ、これまでを振り返り、今後の方向性を打ち出すための議論を集中的に行いました。

会議の模様
会議の模様

アジア太平洋地域のインターネット関連組織からの活動報告


午前のセッションの前半では、アジア太平洋地域のインターネット関連各組織からの活動報告が行われました。今回の会合で活動報告を行ったのは、下記の12団体とAP* Retreat事務局です。APNGが行なっているAPNG Camp(Asia Pacific Next Generation Camp)については、活発な質疑応答が行われ、Camp経験者をアジア太平洋地域の中核メンバに育成する道筋を考えるべきである等、今後のインターネットを担う人材の育成に関する意見が出されました。また、APNICの報告では、APNIC事務局スタッフ一同からのビデオメッセージが披露され、他組織の活動立案に広報という観点からの刺激を与えたようでした。

・APAN
: Asia Pacific Advanced Network Consortium
・APCERT
: Asia Pacific Computer Emergency Response Team
・APEET
: Asia Pacific ENUM Engineering Team
・APNetabuse/APCAUCE
: Asia Pacific Coalition Against Unsolicited Commercial Email
・APNG
: Asia Pacific Networking Group
・APNIC
: Asia Pacific Network Information Centre
・APRICOT/APIA
: Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational Technologies
: Asia & Pacific Internet Association
・APRU
: Association of Pacific Rim Universities
・APTLD
: Asia Pacific Top-Level Domain Association
・AIII/SOI-Asia
: Asian Internet Interconnection Initiatives
・DotAsia Organisation Limited
・intERLab
: Internet Education and Research Laboratory

「AP* Retreat Retreat」

AP* Retreat会合の価値を、アジア太平洋地域のインターネット関連各組織による報告会以上に高めたいとの共同議長2人の課題意識から、今回、会合のあり方の見直しがテーマとして掲げられました。

まず、AP* Retreat会合のコンセプトがなぜ生まれ、どのような経緯で設置されたのかが点検され、当初掲げた目標がどこまで達成されたのかを中心に、これまでの足跡の整理が行われました。AP*の活動の開始時から関わっている参加者を中心に、当時を振り返りながら、得られた成果と達成できなかったことについて、熱心な討論が行われました。

得られた成果としては、次のものが挙げられました。

(1) AP*が、次々と発生する新たな関心事項に対応するために、APTLDの設置など新たな組織の設置のきっかけを提供した。
(2) .asia(アジア太平洋地域の個人・事業者向けのTop Level Domain)の新設をICANNに提案したことに代表される、地域全体に関連がある事象に対するアイデア提案があった。

またアイデアは提案されたが、最終的には実現しなかったことの具体例として、AP各組織の共同事務局(Joint Secretariat)の設置構想が挙げられました。これは、効率的な組織運営を図るため、AP各組織の事務局機能を集約するというものでしたが、提案の後に議論を重ねた結果、活動の目的がそれぞれ違う組織は、それぞれに事務局を持つべきであるとの結論に達したためです。

その後、今後の会合のあり方について議論が続けられ、午前の最終セッション以降、延べ3時間半に及ぶ「AP* Retreat Retreat」の討論の後に以下の声明を採択し、閉会となりました。

  AP* Retreat会合は、
    - アジア太平洋地域のインターネット組織同士の出会いの場
    - より大きなアジア太平洋地域全体の共通課題の特定の場
    - 組織間、各個人間の関係の構築、情報交換、知見の共有の場
    - 各組織が抱える課題を特定し、解決方法を提案する場
  である

また、会合で何が行なわれたかを参加各団体に対して今まで以上に積極的にアピールしていくことが合意されました。その取り組みの第一歩として、秋葉原で同時に開催されている第21回APANの閉会式の場で、共同議長(Zita Wenzelと遠藤淳)の2人が今回の会合の報告を行ないました。

今後のAP* Retreat会合

次回は、Singaporeで開催される第22回 APAN会合に合わせ、2006年7月17日頃に行われる予定です。

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本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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