ドメイン名関連会議報告
2005年
APTLD会合報告
~AP地域を代表するccTLD連合として意見形成・表明の役割担う~
2005/03/03
2005年2月20日から22日までの3日間、アジア太平洋地域のccTLD連合組織APTLD(Asia Pacific Top Level Domain Association)の会合が、京都で開催されました。会期中2日間は年次総会と理事会、1日は途上国のccTLDオペレータ向け技術ワークショップが行われました。
今回は、15のレジストリから約30名が出席し、ccNSO(Country Code Names Supporting Organization)やICANNの動向、ドメイン名登録管理ポリシーと運用に関する情報交換を行いました。また、IANA (Internet Assigned Numbers Authority)のGeneral ManagerであるDoug Barton氏をゲストに迎え、各レジストリとIANAとのコミュニケーションも活発に行われました。
さらに、京都会合に先立ち、APTLDがICANN ccNSOのアジア太平洋地域組織として認められたことを背景に、今回の会合では、APTLDがICANN等にこれまで以上に積極的なインプットを行ってグローバルな資源管理調整に貢献していくという方向性が明確になりました。
ここでは、APTLD年次総会で特に熱心に議論された以下の話題についてご報告します。
・IDN(国際化ドメイン名)のフィッシング詐欺脆弱性問題への対応
・ICANN戦略計画へのインプット
会議風景
今回は、15のレジストリから約30名が出席し、ccNSO(Country Code Names Supporting Organization)やICANNの動向、ドメイン名登録管理ポリシーと運用に関する情報交換を行いました。また、IANA (Internet Assigned Numbers Authority)のGeneral ManagerであるDoug Barton氏をゲストに迎え、各レジストリとIANAとのコミュニケーションも活発に行われました。
さらに、京都会合に先立ち、APTLDがICANN ccNSOのアジア太平洋地域組織として認められたことを背景に、今回の会合では、APTLDがICANN等にこれまで以上に積極的なインプットを行ってグローバルな資源管理調整に貢献していくという方向性が明確になりました。
ここでは、APTLD年次総会で特に熱心に議論された以下の話題についてご報告します。
・IDN(国際化ドメイン名)のフィッシング詐欺脆弱性問題への対応
・ICANN戦略計画へのインプット
会議風景
IDNのフィッシング詐欺脆弱性問題への対応
最近の報道で、IDNが導入されたことにより類似して見えるドメイン名が増加し、これを使ったフィッシング等の詐欺行為が起りやすくなる、というものがありました。
技術、ポリシーの両面でIDN導入を主導してきたccTLDを会員に持つAPTLDでは、この問題がユーザに誤解を与え、IDN推進を不要に阻害するとの認識のもと、緊急に対応を協議しました。その結果、APTLDとしての声明文を作成し、ICANN理事会へ提出を行うと共に、APTLDのWebページで公開しました。
・APTLD Statement Regarding Phishing Using Homographs among IDNs
http://www.aptld.org/newsite/meeting/2005/02_Kyoto/file/idn-phishing.html
これと時期を同じくして、欧州地域におけるレジストリの連合体であるCENTR(Council of European National Top-Level Domain Registries)や、gTLDレジストリなどからもIDN推進を支持する声明が出された結果、ICANNがこの問題に関するパブリックコメントフォーラムを開設し、脆弱という指摘の適否および可能な防御策について意見募集を開始しました。
・ICANN Statement on IDN Homograph Attacks and Request for Public Comment
http://www.icann.org/announcements/announcement-23feb05.htm
APTLDでは、今後必要に応じさらなる行動を取ることも視野に、関連動向を注視してきいます。
技術、ポリシーの両面でIDN導入を主導してきたccTLDを会員に持つAPTLDでは、この問題がユーザに誤解を与え、IDN推進を不要に阻害するとの認識のもと、緊急に対応を協議しました。その結果、APTLDとしての声明文を作成し、ICANN理事会へ提出を行うと共に、APTLDのWebページで公開しました。
・APTLD Statement Regarding Phishing Using Homographs among IDNs
http://www.aptld.org/newsite/meeting/2005/02_Kyoto/file/idn-phishing.html
これと時期を同じくして、欧州地域におけるレジストリの連合体であるCENTR(Council of European National Top-Level Domain Registries)や、gTLDレジストリなどからもIDN推進を支持する声明が出された結果、ICANNがこの問題に関するパブリックコメントフォーラムを開設し、脆弱という指摘の適否および可能な防御策について意見募集を開始しました。
・ICANN Statement on IDN Homograph Attacks and Request for Public Comment
http://www.icann.org/announcements/announcement-23feb05.htm
APTLDでは、今後必要に応じさらなる行動を取ることも視野に、関連動向を注視してきいます。
ICANN戦略計画へのインプット
ICANNは、3年間の戦略計画案をWebページ上で公開し、2005年2月28日までの間、一般からの意見募集を行いました。
・ICANN Strategic Plan
http://www.icann.org/strategic-plan/strategic-plan.html
APTLD京都会議では、この戦略計画案に提出する意見書を作成しました。APTLDの意見書では、ICANNがグローバルにインターネット資源管理の技術的調整を行う枠組みを支持しつつ、ccTLDコミュニティに対する教育活動などのローカ ルな役割は、既存のccTLDレジストリやAPTLDなどの地域組織に委ねる方が適切であると指摘しています。
・APTLD Statement on the ICANN Strategic Plan
http://www.aptld.org/newsite/meeting/2005/02_Kyoto/file/icann-plan.html
・ICANN Strategic Plan
http://www.icann.org/strategic-plan/strategic-plan.html
APTLD京都会議では、この戦略計画案に提出する意見書を作成しました。APTLDの意見書では、ICANNがグローバルにインターネット資源管理の技術的調整を行う枠組みを支持しつつ、ccTLDコミュニティに対する教育活動などのローカ ルな役割は、既存のccTLDレジストリやAPTLDなどの地域組織に委ねる方が適切であると指摘しています。
・APTLD Statement on the ICANN Strategic Plan
http://www.aptld.org/newsite/meeting/2005/02_Kyoto/file/icann-plan.html
まとめ
これまでAPTLDでは、レジストリ同士の情報交換に力を入れて活動してきましたが、このたびICANN ccNSOのアジア太平洋地域組織として認められたことを受け、その責任を認識し、グローバルなコミュニティに地域の視点をインプットする活動にも力を入れ始めています。
今回の会合で行った声明文や意見書の提出以外にも、APTLDが取り組むべき課題は多く、今後も提案や意見表明をはじめとする積極的な活動を行っていく予定です。
また、引き続き地域レベルでの技術、運用、ポリシー情報の交換にも取り組み、登録管理実務上の連携も強めていく予定です。
次回のAPTLD会合は、2005年7月にシンガポールで開催される予定です。
本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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今回の会合で行った声明文や意見書の提出以外にも、APTLDが取り組むべき課題は多く、今後も提案や意見表明をはじめとする積極的な活動を行っていく予定です。
また、引き続き地域レベルでの技術、運用、ポリシー情報の交換にも取り組み、登録管理実務上の連携も強めていく予定です。
次回のAPTLD会合は、2005年7月にシンガポールで開催される予定です。
関連URI
- APTLD
http://www.aptld.org/ - ICANN
http://www.icann.org/ - CENTR
http://www.centr.org/
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