JPドメイン名のサービス案内、ドメイン名・DNSに関連する情報提供サイト


ドメイン名関連会議報告

2024年

[第80回ICANN会合報告] TLD次回募集に関する動向

本記事では、第80回ICANN会合(ICANN80)におけるTLD次回募集に向けた動向についてご紹介します。

次回申請受け付けに向けたスケジュール

2024年7月時点で、TLD申請の受付開始を2026年4月とするスケジュールに変更はありません。申請者向けのガイドブック(Applicant Guidebook:AGB)についても、2025年第3四半期の公開に向けて準備が進められています。

申請料について

ICANNにTLD創設を申請する際、申請者は申請料を支払う必要があります。

ICANNは、審査などに掛かる費用による赤字が出ない額を見積もり、申請料として以下をベースとして検討する案を提示しました。

  • 申請数が1,000件の場合:USD 242,000/申請
  • 申請数が1,500件の場合:USD 220,000/申請

申請料の算出根拠について質問や意見が多数挙がったため、会合最終日(6/13)のセッションにて、申請料の方針や質問への回答を取りまとめたペーパーを元に、再度コミュニティに対して説明が行われました。

  • 募集~審査に掛かる費用をカバーできる申請料を設定する
    (想定するTLD申請数によって、申請料が変動する)
  • 見積方法
    • 2012年募集における審査と比べ、追加される事項については費用を算入、廃止される事項については費用から控除する
    • 申請料によってカバーされる項目、カバーされず申請者の追加の費用負担を求める項目を明確にする
    • 2013年と2024年を比べると物価が44%上昇(米国)していることを考慮し、各種費用が増えると想定する

申請料の原案は、2024年9月までに確定させるスケジュールが示されています。

RSP評価プログラム

ICANNは、TLDレジストリに必要なサービスを提供する、レジストリサービスプロバイダー(Registry Service Provider:RSP)を事前に評価する概要をまとめたハンドブックを作成しています。

2024年3月に初版が公開され、2024年4月にかけてパブリックコメントが募集されました。コメントを踏まえて内容が更新され、会合直前の6月3日に第2版が「Registry Service Provider (RSP) Program Handbook」として公開されました。

会合終了後の6月28日に、ICANN理事会にて第2版の内容で「RSP Program Handbook」が採択されました[*1]。第2版に記載されている実施日程は以下の通りです。

[日程]

  • 2024年11月19日:RSP事前評価受付開始
  • 2025年5月20日:RSP事前評価受付終了
  • 2025年12月9日:事前評価済RSPリストの公開

併せて、RSP評価プログラムの審査料をUSD 92,000とすることも決議されました。