[第119回IETF Meeting] IETF全般に関する状況

本記事では、第119回IETF Meeting（IETF 119）における話題から、IETF全般に関する状況についてご紹介します。

1993年に初版が公開され、長年にわたり改訂されてきたIETFの初心者向けガイド「The Tao of IETF（以下、Tao）」が、廃止されることになりました。Taoは、IETFになじみのない人や初めて参加する人がIETFのやり方（the Way of the IETF）を理解できるように、IETF Meeting・ワーキンググループ（WG）・関連する組織・標準化プロセスの仕組みなどについて紹介した文書です。

Taoは当初、Informational（情報提供）RFCとして発行・改訂されました。その後、2012年に発行されたRFC 6722でWebページによる公開手順が定められ、それ以降はWebページで改訂されてきました。

しかし、Taoはその長さと幅広い内容のため、文書の改訂とレビューに多大な労力を要することと、リモート参加を含むIETFへの参加形態やニーズの多様化に十分に対応し切れていないことが問題視されるようになりました。

Taoを廃止する提案は2023年12月にインターネットドラフトとして公開され、IETF全体を対象とした最終確認（IETF Last Call）の後、2024年3月7日にInformational（情報提供）RFCとして発行される旨がアナウンスされました。提案は現在、RFC発行待ちとなっています。

Taoの内容は既にIETFの公式Webサイトに統合されており、また最終版はアーカイブのため、発行予定のRFCの付録として全文が保存されます。