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ドメイン名関連会議報告

2025年

[第123回IETF Meeting] IETF全般に関する状況

本記事では、第123回IETF Meeting(IETF 123)における話題から、IETF全般に関する状況についてご紹介します。

IANAに関する考慮点(IANA Considerations)ガイドラインの改訂に関する動き

▽プロトコルパラメーターとIANA

インターネットの通信では、プロトコルに応じて動作モードを指定したり、形式や値を相手に伝えたりするための、番号や文字列の取り決めが必要になります。これらの番号や文字列は、プロトコルパラメーター(protocol parameters)と呼ばれます。

相互運用性を保つため、プロトコルパラメーターは利用者の全体で一意になるように一元管理されます。この役割をIANA [1]と呼び、現在はICANNの子会社であるPTI(Public Technical Identifiers)が運用しています。

▽IANA Considerationsガイドライン

RFCには「IANAに関する考慮点(IANA Considerations)」というセクションが設けられており、そのRFCでIANAに新設されるプロトコルパラメーターの内容や、IANAに追加登録されるプロトコルパラメーターの内容が記載されます。

IANA Considerationsの記述に関するガイドラインは、「Guidelines for Writing an IANA Considerations Section in RFCs(参考訳:RFCのIANA Considerationsセクション記述のためのガイドライン)」というRFCで定義されています。本RFCはIETFとそれを取り巻く状況の変化に対応するため、10年をめどに改訂されており、1998年に発行されたRFC 2434、2008年に発行されたRFC 5226を経て、現在は2017年に発行されたRFC 8126が最新版となっています。

▽ianabis WGの創設とガイドラインの改訂に向けた動き

RFC 8126の発行から7年目となる2024年10月に本RFCの改訂が提案され、2025年3月に、改訂作業を進めるためのianabis WGが創設されました。WGでは現在、RFC 8126の改訂版を作成する作業が進められています。

現時点の草案(draft-baber-ianabis-rfc8126bis-01)では以下の項目が含まれており、WGでは2025年11月に最終案をIESGに送付することを目標として、作業が進められています。

  • プロトコルパラメーターに関する用語の定義の追加・明確化
  • プロトコルパラメーターの登録手順の追加・改訂
  • プロトコルパラメーターのレジストリの設計に関する考慮点の追加

Fred Baker氏の逝去

IETF 123の全体会議(Plenary)で、2025年6月18日に逝去したFred Baker氏をしのぶ時間が設けられました。

Baker氏は長年にわたりIETFで活動し、経路制御・IPv6・QoSなどを中心に、60本以上のRFCを執筆・編集しました。1996年から2001年までIETFチェアを務めた他、IPv6の運用ガイドラインを作成するv6ops WGのチェアを長年にわたり務めました。

また、同氏は2002年から2006年まで、ISOCの代表を務めました。2017年からはICANNの諮問委員会の一つであるRSSACに参加し、2018年10月から2019年12月まで共同議長を、2020年1月から2022年12月まで議長を務めるなど、インターネットの技術・運用・ポリシーの各分野において、多大な足跡を残しました。

https://jprs.jp/related-info/event/imgs/IETF123-01_01.png

Fred Baker氏(Plenaryの発表資料より)