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ドメイン名関連会議報告

2004年

CENTR Administrative Workshop報告

~レジストリ-レジストラに関する最新動向~
2004/03/30
2004年3月19日にポーランドの首都ワルシャワにてCENTR(Council of European National Top-Level Domain Registries)第4回Administrative Workshopが開催されました。

最近では、多くのccTLDで、レジストリレジストラ(日本では指定事業者)が協力してサービスを提供するという構造がとられています。しかし、どの国でもこのサービス構造の歴史は浅く、経験を積み重ねていく中で、レジストリとレジストラの役割と責任分担などの課題を明確化し、議論を進めていかなければならない分野です。

このような状況の中、レジストリとレジストラの関係をテーマとするワークショップの開催を日本より提案し、今回それが実現しました。本ワークショップには、16のレジストリから約25名が集まり、それぞれの国におけるレジストリ-レジストラ間の関係のあり方や課題を発表し、意見交換を行いました。

以下、第4回Administrative Workshopにおける、各レジストリからの発表についての概要をご報告します。

Administrative Workshopの様子(NASK会議室, Warsaw)
Administrative Workshopの様子(NASK会議室, Warsaw)

<日本(.jp)>

日本からは、JPRSがドメイン名個々の登録者情報まで含めたwhoisを一元的に運用していること、レジストラ管理下から外れたドメイン名の管理業務も行っていることなど、いわゆる「Thick Registry」であることを述べ、そのための、登録者-指定事業者-JPRSという3者間の契約関係および責任分担、指定事業者の認定方法などについて述べました。特に聴衆から興味を集めた点は、.JPでは、gTLDや他のccTLDよりもレジストリの業務範囲を大きくし厚い登録者保護を行っていること、多くの指定事業者が認定され登録者に多様な選択肢が与えられていることなどです。さらに、レジストリによる厚い登録者保護のケーススタディとして、JPドメイン名の廃止時にレジストラが登録者の廃止意思を確認した上でさらにレジストリも登録者の意思を直接確認するという場合の詳細手順について紹介しました。

<ポーランド(.pl)>

ポーランドは、ドメイン名登録処理でのEPPプロトコルの採用、2003年9月の国際化ドメイン名の登録開始、ENUMにおけるEPPプロトコルの採用など、非常に先進的な取り組みをしているccTLDの1つです。2004年5月にはバックオーダーサービス(VeriSignのWaiting Listサービスと類似)の開始を予定しているとのことです。

レジストラ資格条件として最低限の取り扱いドメイン名数を定めていますが、レジストラ間の競争促進を重視し、その数字は低く抑えているとのことでした。その反面、支払い能力や財務状況については厳しくチェックし、ドメイン名に関する申請もEPPプロトコルでのみ受け付けることにより、一定の技術力がなければレジストラになれないというハードルも設けています。これらの基準を満たしたレジストラは現在44社あります。

<スペイン(.es)>

スペインは、ドメイン名の信頼性、安定性を重視する方針を取っており、2003年まではすべてのドメイン名はレジストリにより直接管理され、申請内容も1件ごとに厳しくチェックされていました。2003年7月からレジストリ-レジストラモデルが採用されましたが、レジストラの認定基準は厳しく、最低1,000件以上のドメイン名を扱い、6,000ユーロ(約80万円)のデポジット、50万ユーロ(約7,000万円)の損害保険加入等がレジストラになる条件として課せられています。現在23社がレジストラとして認定されています。

<イギリス(.uk)>

イギリスからは、登録者と“レジストラ”の間に多様な関係を促進し、また“レジストラ”間の競争を促すため、レジストリ-レジストラではなく、"Tag Holder Model"という独自のシステムを採用しているという発表がありました。そのポイントは、Tag Holderはレジストリによって認定された主体ではなく、登録者の代理という立場であるという点です。つまり、.ukドメイン名においては、登録者はレジストリと直接的な契約関係にあり、Tag Holderは登録者にレジストリとの契約条件について伝える立場であるということです。また、Tag Holderはレジストリと合意書を交しますが、前提条件として、財務的信用力または一定の残高証明、契約条件への合意、技術的なシステムの用意が必要となります。

<その他>

フィンランド(.fi)からは、レジストラがレジストリによる認定制ではなく届け出制であること、また登録者がレジストリに対して自分のドメイン名のレジストラを登録するというユニークな仕組みについて発表されました。

オーストリア(.at)からは、ドメイン名におけるすべての契約関係はレジストリと登録者の間にあること、レジストラは認定されても2ヶ月間のテスト期間が設けられて資質がチェックされること、また、認定され続けるためには、レジストラ向けワークショップへの参加が義務付けられていることなどが報告されました。

ノルウェー(.no)からは、過去に実際に起こった大きなレジストラの倒産や、問題のあるレジストラに関するトラブルについて報告され、このような不慮の問題に対処するため1年以上かかってしまうことがありコストがかかっているというレジストリの課題が挙げられました。

<まとめ>

今回のテーマに関する意見交換は、各国それぞれに異なる状況の中で、自国のサービス構造を見つめ直すための外からの視点を得ることができたという意味で、非常に有意義なものでした。

日本からの発表のまとめとして、お互いが抱えている課題、レジストラの満足度向上のための施策、登録者の保護方法などに関する情報をレジストリ間で共有する必要があると呼びかけたところ、多くの賛同を得、今後CENTR事務局が課題を整理し、オンラインで議論していくことになりました。

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本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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