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2017年9月1日時点で、汎用JPドメイン名の登録数が100万件を突破しました。
「△△△.jp」といった、「.jp」の前の部分(セカンドレベル)に文字列を登録できるドメイン名。
個人でも組織でも、日本に住所があれば誰でも登録でき、登録できるドメイン名の数に制限はありません。また、漢字や仮名などを用いた日本語ドメイン名も登録できます。
汎用JPドメイン名は、2001年2月の登録申請受付開始から16年経過した、2017年9月に登録数が100万件を突破しました。
汎用JPドメイン名の導入以前、JPドメイン名は、組織種別に応じた属性型JPドメイン名を基本としていました。属性型JPドメイン名は、「.jp」の前に企業(co)や大学(ac)など登録者の組織属性を表す文字列があり、また一つの組織につき、一つのドメイン名しか登録できませんでした。加えて、ドメイン名を登録するために、書面による申し込みや、公的文書による法人格審査など複雑な手続きが必要でした。これらのルールにより、悪意ある登録を抑制する効果がある反面、JPドメイン名は限られた目的での利用にとどまっていました。
1990年代後半から2000年代初頭にかけ、日本を含む世界中で、それまで学術・研究機関などが主であったインターネットの利用が、個人や商用分野にも急速に拡大し、多くのWebサイトが立ち上げられ、ドメイン名の需要も急増しました。ブランドごとやイベントのためにドメイン名を登録するといった新たなニーズも誕生し、誰もが自由に登録できる「.com」や「.net」といったgTLDが急激に登録数を伸ばしていく中、JPドメイン名においても新しいニーズに応えることができるサービスの検討が進められました。その結果、登録制限が緩和された「汎用JPドメイン名」が設計され、登録が2001年2月より、利用が2001年5月より開始されました。
高い利便性を持たせることを目的に作られた汎用JPドメイン名は、それまでのJPドメイン名とは異なる五つの特長を持っていました。
汎用JPドメイン名の登録しやすいという特長は、メリットであると同時に、サイバースクワッティングなど不正な目的で登録や使用される恐れがありました。そのため、その導入に先立ち、1999年に「JPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP)」が制定されています。これは、不正な目的によるドメイン名の登録や使用に対し、裁判などに比べ簡易かつ迅速に対処し解決を図るための規則(基準)です。
「汎用JPドメイン名」という名称には、これら五つの特長を備えることで用途を限定せず、様々なシーンで利用してもらい、インターネット全体の発展につなげたいという想いが込められています。
JPドメイン名に限らず、ドメイン名の登録は原則として「早い者勝ち」である先願制が採られています。しかし、新たなドメイン名の登録申請を先願制で始めた場合、サイバースクワッティング目的の登録申請や、受付開始と共に大量の申請がなされ、大きな混乱が生じることが懸念されました。そのため、汎用JPドメイン名の登録開始に当たっては、これらの問題を回避するために、先願制の登録申請を開始する前に、当時としては画期的な申請方法であった「優先登録申請」と「同時登録申請」という2段階の事前申請方法が採られました。
「優先登録申請」は、文字列に関する権利者の保護を目的に、以下の条件を満たした場合に、優先的に汎用JPドメイン名の登録申請ができる制度です。
「同時登録」は、先着順による競争を緩和するための制度です。同時登録申請期間内に行われた申請をすべて同時に受け付けたものとして扱い、申請が競合した場合は抽選で登録者を決定するものです。抽選は、公平を期すべく、申請期間終了後、あらかじめ指定した日時の株価を用いて行いました。
これら二つの申請方法は、汎用JPドメイン名の登録開始時に採用されて以降、新たにドメイン名の登録が開始される際の標準的な方法として世界中で使われています。中国(.cn)や台湾(.tw)、シンガポール(.sg)といったアジア地域の複数の国や地域で、JPドメイン名同様、属性型に続いて汎用ドメイン名の運用が開始された際や、2012年以降に登場した新たなgTLDの登録申請が開始された際も同様の方法が採られました。
このように、利便性が高く登録しやすさを持つ汎用JPドメイン名は、登録受付が開始された直後から多くの登録申請があり、優先登録申請は約7万件、同時登録申請は25万5千件が申請されました。また、2種類の事前登録申請が終了した後に開始された通常の先願制の登録申請では、1日で1万件以上の登録申請が行われました。
汎用JPドメイン名の検討が始まった当初、一部では利便性の高い汎用JPドメイン名のみが利用され、属性型JPドメイン名の利用が無くなるのではという懸念もありました。しかし実際には、1組織1ドメイン名といった制限が生む信頼性などもあり、企業のコーポレートサイトや公的機関のWebサイトには属性型JPドメイン名が、商品やブランド、イベントなどのWebサイトやキャンペーンサイトには汎用JPドメイン名を利用するという使い分けが浸透しました。その結果、2017年9月1日時点で、属性型JPドメイン名は約47万件、汎用JPドメイン名は約100万件という登録数に達しています。汎用JPドメイン名は、2001年の登場から16年間で100万件を突破したこととなります。