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ドメイン名関連会議報告

2024年

[第121回IETF Meeting報告] DNS関連RFCの発行状況

本記事では、前回の第120回IETF Meetingから今回の第121回IETF Meetingまでに発行された、DNS関連のRFCの内容をご紹介します。

EDNS0 ZONEVERSIONオプションの仕様

RFC 9660: The DNS Zone Version (ZONEVERSION) Option
(Standards Track: draft-ietf-dnsop-zoneversion)

RFC 9660は、応答に使用したゾーンのバージョン情報をその応答に追加するための、EDNS0オプションの仕様を定義します。本RFCは標準化過程(Standards Track)として発行されます。

DNSでは、ゾーンのバージョンをSOAリソースレコード(RR)への問い合わせで確認できます。しかし、IP Anycastやロードバランサーによる冗長化が導入されている場合、同じIPアドレスに対する問い合わせが同じサーバーに到達するとは限らないため、権威DNSサーバーの動作確認やトラブルシューティングが難しくなる場合があります。

本RFCで定義されるZONEVERSIONオプションを問い合わせ時に指定することで、応答に使用したゾーンの名前とSOA RRのシリアル番号を、同じ応答に埋め込むことができるようになります。

EDNS0オプションはDNSの動作確認に使う、digコマンドやdrillコマンドで送信できます。今後、これらのコマンドにZONEVERSIONオプションが実装されることで、権威DNSサーバーの動作確認やトラブルシューティングの際に使えるようになります。