電子署名(Digital Signature)
データに対し、出自の認証と完全性を検証できるように、データの作成者が付加する情報です。データの利用者は、電子署名を検証することにより、以下の二つを確認できます。
・作成者が作成したデータであること(データ出自の認証: Data Origin Authentication)
・利用者が受け取ったデータに、改ざんや欠落が見られないこと(データ完全性の検証: Data Integrity Validation)
公開鍵暗号方式を用いた電子署名の生成と検証の例を、以下に示します。
1. 電子署名を生成する際の計算コストを下げるため、元データに対応する圧縮した値(ハッシュ値)を用います。
2. 作成者は自らの秘密鍵でデータのハッシュ値をエンコードし、電子署名を生成します。
3. 利用者が作成者の公開鍵で電子署名をデコードすると、ハッシュ値が得られます。
4. 利用者は、データから生成したハッシュ値と、デコードしたハッシュ値を比較し、同じであれば作成者が作成した改ざんのないデータであると判断できます(※作成者の秘密鍵は、作成者しか持たないため)。
電子署名の技術は、DNSSECやSSL/TLS、S/MIME(メールへの電子署名)などで使われています。
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ハッシュ値(ダイジェスト値)(JPRS)
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DNSSEC(ディーエヌエスセック)(JPRS)
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公開鍵暗号(JPRS)
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共通鍵暗号(JPRS)